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技術コラム

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配電盤におけるブスバー(銅帯)において

概要

配電盤の心臓部であるブスバー(銅帯)の基礎知識から、銅とアルミの材質比較、許容電流の考え方、そして現場で発生しやすい発熱トラブルとその対策まで、電気設計者・保守担当者向けに論理的に解説します。

1. 配電盤におけるブスバーの役割と基本規格

配電盤や制御盤において、大電流を各機器へ分配するための導体として使用されるのがブスバー(Busbar)です。日本語では「母線」や「銅帯」とも呼ばれます。

一般的なケーブル(電線)とは異なり、剛性のある金属の板や棒を使用するため、大電流を流す際の放熱性が高く、配線スペースをコンパクトに収めることができるのが最大の特徴です。国内の製造業においては、JIS H 3140(銅及び銅合金の板並びに条)に規定される無酸素銅(C1020)やタフピッチ銅(C1100)が広く採用されています。

2. ブスバーの材質比較:銅とアルミニウム

ブスバーの材質は、導電率や加工性、コストの観点から選定されます。近年では、銅の価格高騰を背景に、アルミニウム素材への代替検討も進んでいます。以下の表で主な特性を比較します。

特性銅ブスバー(C1100など)アルミブスバー(A1050など)設計上の考慮点
導電率非常に高い(基準となる標準軟銅を100%とする)銅の約60%同じ電流を流す場合、アルミは銅より断面積を大きくする必要がある。
質量重い(比重 約8.9)軽い(比重 約2.7)盤全体の軽量化が求められる場合はアルミが有利。
コスト高価(相場変動の影響を受けやすい)比較的安価量産品や大型盤でのコストダウン検討時にアルミが候補となる。
接触抵抗比較的安定している表面に強固な酸化皮膜が形成されやすいアルミを使用する場合、接続部の防食処理や専用の端子座金が必須。

3. 現場で頻発する発熱トラブルと「五感」での異常検知

設計上の許容電流をクリアしていても、製造現場や稼働中の設備では予期せぬトラブルが発生します。特に多いのが、接続部の接触不良による異常発熱です。

盤内から「焦げ付くような刺激臭」が漂ってきた場合、すでにブスバーの締結部で微小なアーク放電や異常発熱が進行している可能性が高いです 。

主な原因とメカニズム:

  1. ボルトの緩み: 設備稼働時の微小な振動や、通電による熱膨張・収縮の繰り返しにより、締結ボルトの軸力が低下します。
  2. 接触抵抗の増大: ボルトが緩むとブスバー同士の密着面が減少し、接触抵抗が増大します。
  3. 熱暴走: 抵抗が増えた箇所に大電流が流れることでジュール熱が発生し、さらに酸化皮膜が形成されて抵抗が増すという悪循環(熱暴走)に陥ります。

具体的な対策:

オペレーターが定期点検を行う際は、目視による変色(銅表面の黒ずみ)の確認だけでなく、サーモグラフィカメラを用いた稼働中の温度測定を徹底します。また、設計段階での対策として、熱膨張を吸収するための皿ばね座金の採用や、接触面にスズメッキや銀メッキを施すことで、酸化による接触抵抗の増大を防ぐことが推奨されます。

4. まとめ:最適なブスバー選定で盤の信頼性を高める

配電盤のブスバー選定は、単に電気を流すだけでなく、盤全体の安全性と寿命を左右する重要な設計要素です。材質の特性を正しく理解し、現場での経年劣化や振動リスクを考慮したマージン設計を行うことが求められます。

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