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技術コラム

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【建築金物】特注製作を成功させる3つの要点|意匠性と施工性を両立する仕様の決め方

建築プロジェクトにおいて、手すり、ブラケット、パネル、見切り材といった「建築金物」は、建物のディテール(詳細)を決定づける重要な要素です。しかし、既製品ではサイズやデザインが合わず、特注(オーダーメイド)が必要になるケースは少なくありません。

本稿では、機械部品とは異なる建築金物ならではの製作ポイント、特に「美観」と「施工性」を両立させるための技術的留意点を解説します。

1. 使用環境に適した材料と仕上げ選定

建築金物は常に人の目に触れ、風雨にさらされることも多いため、耐食性と意匠性のバランスが設計の鍵となります。

材質の使い分け(SUS304 vs SUS316)

材質特性推奨される設置場所コスト
SUS304最も一般的なステンレス。屋内環境では十分な耐食性を持つ。屋内手すり、間仕切り、内装パネル標準
SUS316ニッケル含有量が多く、モリブデンが添加されているため、塩害や腐食に強い。沿岸部の建物、屋外手すり、外装ルーバーSUS304より高価
スチール (SS400) + 塗装安価で強度があるが、錆びやすいため塗装やメッキが必須。下地金物、構造ブラケット、屋内什器安価

意匠仕上げの種類

図面に単に「SUS HL(ヘアライン)」と記載するだけでなく、目方向(長手・短手)や研磨の番手まで指定することで、イメージ通りの仕上がりになります1

  • ヘアライン (HL): 髪の毛のような筋目を入れた仕上げ。傷が目立ちにくく、最も建築金物で採用されます。
  • バイブレーション (PH): 無方向の研磨模様。マットで高級感があり、指紋が目立ちにくいため、店舗什器やエレベーター周辺で好まれます。
  • 鏡面 (Mirror): 鏡のように磨き上げた仕上げ。高級感があるが、傷や指紋が目立ちやすく、加工コストも高くなります。

2. 溶接歪みと「仕上げ品質」の確保

薄板板金(1.5mm〜3.0mm程度)が多い建築金物では、溶接による熱歪みが最大の敵です。特に長尺のパネルや見切り材では、溶接熱で製品が波打ってしまい、光の反射で美観を損なうリスクがあります。

  • TIG溶接と焼け取り: 溶接ビード(継ぎ目)を極力小さくし、焼け取りやバフ研磨で母材と馴染ませる技術が不可欠です。
  • 曲げ加工による一体化: 可能な限り溶接箇所を減らし、ベンディング(曲げ)で形状を作ることで、歪みを防ぎコストダウンにも繋がります。

3. 現場施工をスムーズにする「逃げ」の設計

機械部品は0.01mmの精度で製作しますが、建築現場のコンクリート躯体や壁面はmm単位の誤差(不陸)が当然のように存在します。建築金物の図面では、この誤差を吸収する工夫が必要です2

  • ルーズホール(長穴): 取付穴を長穴にしておき、現場で微調整ができるようにします。
  • 調整代(シム): 躯体との隙間を調整するためのライナーや調整ボルトを設計段階で盛り込みます。

現場を知らない加工業者が製作すると、「寸法通り作ったが入らない」というトラブルが頻発します。施工経験が豊富なサプライヤーを選ぶことが、現場の工期短縮に直結します。

まとめ:ディテールが建物の品格を決める

建築金物は、建物の中で「人が触れる」数少ない部材です。だからこそ、角の面取り一つ、溶接の仕上げ一つに作り手の技術が表れます。

当社では、商業施設から公共建築まで、意匠性の高い特注金物の製作実績が豊富にあります。「図面はないがイメージを形にしたい」「塩害地域での仕様を相談したい」といったご要望があれば、設計段階からサポートいたします。

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